午後10時を回った頃
旦那が怪しげな缶詰を私に
押し付けて来た。


・・・・何?


「コレ食べタイ。
調理シテ」



そう言われても




何コレ?



見た事もない
魚卵らしい缶詰。

だがしかし
「COD」と明記されている以上
きっと「タラコ」なのであろう。

――が
海外の「タラコ」の扱い方なぞ
私には皆目見当も付かない(真顔

調理の仕方も分からない上に
時間は午後10時過ぎ。

悪いが午後9時以降は
母親兼妻業は終了している。
食べたければ自分で何とかしろ。

私はスッパリ
旦那の要求をはねのけた。

すると旦那は珍しく
何の反論もする事無く
自分で調理器具を物色し始めた。

間もなく


ガラガラ
ガッシャン!!



と、漫画のような擬音が
キッチンに鳴り響く。

そんな父親の姿にチハナは
「ダッダってやっぱスゴイね☆」と
心を打たれていた。

その後、1分おきに

「フライパンは
ドレを使えばイイ?」

「油は引いた方がイイ?」

「何分位焼いた方がイイ?」

「もう出来たカナ?」

と、私に確認を迫って来た。


調理終盤戦で大変申し訳ないが


そもそも
缶詰ってのは
大体すでに
「調理済」では
なかろうか。






↑普通にタラコで
普通に美味かった。