2時間の空手レッスンを終え
自宅に戻ってくると


なぜか
玄関の扉が
全開だった。



嫌な予感が脳裏を過ぎる。

我々(+ケイティ)は
お化け屋敷かのごとく
恐る恐る玄関を覗き込む。

すると
なんとも言えない
不愉快なニオイが
我々の鼻をつんざいた。


「クサイ!!
クサ過ぎる!!」



3少女が絶叫した。

すると奥からヒョイッと
旦那が軽快に顔を出した。

「ウン。クサイから
ドアを開けてマス」


でしょうね。
だが、私が知りたいのは
このニオイの正体である。

ニオイに導かれ
3少女はキッチンへと向かう。

ソコには
ゆで卵が3つ
静かに茹でられているだけだった。

3少女は
少し残念そうに肩を落とした。


いや、少女達よ。
このニオイは
間違いなく
玉子が焦げた
ニオイだ。



私はストックされていた
卵の数をチェックした。

7つ
焦がしたな。


その後も
タマゴを空焚き寸前まで
茹でていた旦那。

彼は一体何がしたいのか
きっと私には
一生分からない――