ある日、突如として
我が家のバスマットが消えた。

バスマット――

私はいかにして
こんなデカイ物を
紛失したのか。


深まる謎に首を傾げる。

とりあえず
私がうっかり
収納してしまいそうな場所を
捜索してみる。


だがしかし
どこにもない。



まぁ、いずれ
どこかで見付かるだろうと
暢気に構えていたその日の夜
バスマットは
私の予期せぬ場所から
サクッと現れた。


旦那の
ジム・バッグから。



ああ・・・
きっと彼の事だ。


バスタオルと間違えて
バスマットを持って
行ったのだろう(真顔



お洒落なフィットネス・ジムの
シャワールーム内――

バスマットで身体を拭く
中年の旦那を想像しただけで


なんだか激しく
切なくなった。