新しくデスクを置いたはいいが
部屋に入る度
デスクの角にドアがぶつかる。

私は娘達と共に
近所の工務店へと向かった。

狭い店内だったが
相手は小さな
「ドア・ストッパー」。


探せど探せど見付からない。

SOSを求めようにも
店主のおじさんは
他のお客さんと談笑中。


我が娘達は
「トイレのスッポン」
片手に走り回っている。



お前達。
12歳と13歳だと言う
自覚を持て。



もはや誰の助けも当てにならないと
私は再びウロウロと
店内を徘徊し始めた。

そんな私に
店主のおじさんが
ようやく声を掛けてきた。

「何探してるっぺよ?」

私は目を輝かせ
「ドア・ストッパーっす!」
と、叫んだ。


「・・・OK!」
(ウィンク付き)


おじさんは
巨体をねじらせながら
狭い店内を突き進む。

その動きに
一切の迷いはない。

「はい、コレだべよ」

おじさんが一番下の棚から
摘み上げたのは
紛れもなく
「ドア・ストッパー」!


「おお!
素晴らしい!!」



と、いつの間にか隣に居た
チハナも絶賛する。

所狭しと陳列された
この工具の位置を
おじさんはすべて
把握しているんだな。
おじさん、すげぇな!

と、私はチハナに目配せする。

するとチハナも――











そっち?




「ドア・ストッパー」には
「R」が2つ入っている・・・