自称『タフ・ガイ』の旦那は
驚くべき程に『シャイ』である。

故に電話は勿論
玄関のチャイムが鳴っても
絶対に応対しない。

大体旦那は玄関のすぐ隣にある
パソコン・ルームに
居座っているので
訪問者を2秒と待たさず
応対に当たることが出来るのが
そこはシャイな男なので


「誰か来たヨ!」

「誰デスか?」

「早く出てヨ!誰?」



と、しつこく私に応対を迫る。

それはご飯を作っていても
トイレに行っていても同じだ。


誰か気になるなら
出ればいいのに(真顔



いや
そもそも離れた場所から
玄関に向かう私に
「一体誰が来たか」
なぞ知る由もないと言う事を
旦那が理解出来ないのが
不思議でならない。


やはり馬鹿なのか。


そんなある日――
太陽光パネルのセールス・マンが
我が家にやって来た。

「あなたはこの家の
オーナーですか?」

いえ、違います。
夫がオーナーです。

「では旦那様とお話させて下さい」

ええ・・・
いいですが・・・
今はドコに行ったのか
分かりかねます・・・

「そうですか・・・
それは残念です。
では、パンフレットの説明を
させて頂きます」

えっと・・・
英語がワカラナイデース。
キット
理解出来ないデース。


「あ、大丈夫です。
パンフレット見ながらなので
言葉がなくとも
分かると思います!」


いや、無理だろ。


しどろもどろ・やんわりと
お断りしていたのだが
この日のセールスは
なかなかしぶとかった。

ふと
トイレが流れる音が聞こえた。

旦那は
トイレに居る!


私は救世主が訪れるのを
今か今かと待ちわびた。


だがしかし
彼は一向にトイレから出て来ない。

トイレはその後
全くと言って良いほど物音もなく
しんと静まり返っている。


まさか
嫁のピンチに
気配を消して
隠れるとはな。



その後
セールスマンは
楽しげに色々と早口でまくし立て
パンフレットを置いて
帰って行った。

玄関のドアが閉まるや否
トイレのドアが開いた事は
言うまでもない――




私が強盗に襲われてても
隠れるんだろうな(真顔




◎マラソン旅行◎<

金~日曜日まで
旅行へ出掛けると言った旦那。

ふと気付いたのだが
年々、旅行の用意が



激しさを増す。



余談だが
荷造りまでに乾ききらなかった
ランニング・ウェアを
乾燥機にぶっこんでいた旦那の
その乾燥時間の設定が
「2時間」だった事に
なかなかの衝撃を覚えた。

そっと20分に
変えておいた(真顔