金曜日の夜――

職場の仲間と
クリスマス・ディナーに
出掛けた旦那の帰りを待つ事無く
私は早々とベッドに潜った。

なぜって
次の日の土曜日は昼から
2時間の空手コースが
待ち受けていたからだ。

四十路に突入して以来
昼寝をしないと身が持たない私。
がっつり8時間寝てやろうと
アラームを8時15分にセットし
スヤスヤと眠りに落ちた。

早朝6時半
けたたましい騒音で
私は飛び起きた。

驚いたモモカも
リビングへやって来た。

「ママ、これ何の音?」

いや、なんだ。
私にも分からない!

寝起きで朦朧としていた我々は
ただただリビングでうろたえる。

よくよくあたりを見回すと

犯人は
私のスマホだった。


普段誰からも連絡がないので
全く耳にした事がなかった
着信音は
どうやら大音量で
設定されていたらしい(白目

見ると
旦那からの着信だ。

もしや
駅まで迎えに来いとか言う
電話ではなかろうなと
脅えながら応対する。


・・・もしもし?

『あ、モシモーシ?』

・・・はい。

『朝食に
ポリッジ(オートミール)を
食べたんダケドー』

まさかの
朝食メニューを
電話でご報告?


狼狽する私に旦那は続けた。
その内容を掻い摘んで説明すると

昨夜遅くに帰って来た旦那は
すでに早朝ランニングへ
出掛けたらしい。

そして
朝食にはポリッジを
食べたようだ。


だから
何なんだ!?



と、優しい口調で聞いてみる。


『コンロに火を掛けて
ポリッジを作ったんだケド
火を止めたかどうか
思い出せないんだヨネ☆』


なんだと!?


私は慌てて
キッチンに駆け込んだ。

幸い火はしっかと
消されていたので
一安心だったのが――

何かとモヤモヤが止まらない
早朝6時半の出来事だった。



ちなみに
騒音にひるむことなく
眠り続けたチハナを見て――

「旦那とチハナが
2人暮らしを始めたら
家は早々に
焼け落ちるんだろうな」

とか思った
早朝6時半でもあった。