「外出禁止」の御触れが出てから
数日後の午後11時――

勢いよくガレージから
飛び出して来た旦那が
まったりテレビを観ていた私に
噛みついて来た。

横顔旦那55

怒旦ホリー

何の話?


怒る旦那543

怒る旦那544

いやだから
何の話?



水漏れは知っていたが
優秀なエンジニアを差し置いて
ボイラーに手を出す程
私は愚か者ではない(能面


だがしかし
怒りに任せて妄想を膨らませる
ヤツの脳内では
嫁=
ボイラーに不可解な仕掛けを
施した人物

の方程式が出来上がっていた。


罵倒後
溜飲が下がったのだろう旦那は
3割方プリプリ音を抑えて
ガレージへと踵を返した。

2分後――

再度
旦那の雄叫びが轟いて来た。

「早く来ーーイ!
今すぐダ!!
早くシロ!」


sofaホリー

私は薄目でガレージへと向かった。

そこでは
ボイラーと旦那が
良い具合で拮抗していた(薄笑

「今スグこのバケツの水を
捨てて来テ!
そしてスグ戻って来テ!
ガレージが水浸しにナリマス!」


暴君より指令を受けた私は
汚水に満ちたバケツを持って
キッチンへと向かった。

いざ水を流そうとした時

「待テ!まだ捨てルナ!
バケツを持って
ソコで待っテテ!」


と言う
メタメッセージを賜った。

ダブルバインド・パターンに
いささか動揺しつつも
クソ重たいバケツを持ち上げ
シンクに置いてみた。

すると血相を変えた旦那が
キッチンに雪崩れ込んで来た。

怒る旦那543

怒る旦那544

もうどうでも良いから
早よパーツ探せや
(鼻ほじり




その5分後――

一時的にボイラーは復活したのだが
スペアパーツが届くまでは
シャワー1回2分と言う
軍人バリの指令を受けた。

「外出禁止」に「シャワー2分」
服役したつもりで
明日も頑張ろう(薄笑


次の日――

シャワールームのドアに
御触書が掲げられていたのだが

thumbnail_IMG_6180

シャワー時間が
「5分」に
伸びていた(微笑