買物に行く用意をしていた
休日の午後――

次女モモカ(14)が
リビングから声を掛けて来た。

「ママー
買い物行くなら
バター買って来てー
ケーキ作るんだー」

すると
その声に反応した旦那が

「ウルサーイ!」

と、雄叫びを上げた。

また、生理中なのか(真顔

しかし
そんなお父様のお怒りなぞ
なんのその
全く気に留める様子もなく
モモカは悠然と闊歩に似た
スキップで自室へと
戻って行った。

すると
間髪入れずもう一発

「ウルサーイ!」

をお見舞いされていた。

そんなモモカに
私はほくそ笑みながら
手話で行ってきますを告げ
玄関をあとにした。

買物から帰って来ると
興奮醒めやらぬモモカが
私の元へと駆け寄って来た。

「ママ
イイ事教えてあげる」


我々はニヤ付きながら
秘密基地(チハナ部屋)へと
なだれ込んだ。

うっかり巻き込まれた
チハナも参加せざるを得ないのは
いつもの事である。

「さっきね、ダッダに
2回怒鳴られたでしょ?
でもね
そのあと10分もしない内に
モモカの部屋に来て

サッキは
怒鳴ってごめんネ。


って謝って来たんだよ☆」

と、嘲笑気味に暴露した。

それを聞いたチハナは
顔を歪めながらこう呟いた。


「何なのあの人?
二重人格なの?」



と――



きっと
30年目の思春期ゆえ
情緒不安定なんだよ(嘲笑