午前7時――

旦那が大騒ぎしながら
帰宅して来た。
「見て!!オデコ!
コケてケガしマシタ!
コレ縫わなきゃ
駄目カナ!!
病院行った方が
いいカナ!?」
・・・ジムでオデコを負傷?
ちょっと意味が分からないが
その泥んこウェアを見た所
今朝は森を走って来たらしい。
スコットランドの夏は
日が昇るのも早いし
気候もいいしな・・・
などと
悠長に目を細めていたならば
「チョット!!
ちゃんと見てヨ!」
と、「傷口観察」を強要された。
いや、なぜ看護師でもない私が
息子でもない男のケガを
マジマジ見なければならない。
いや、血も止まってるし
大丈夫じゃね?
――と、思ってはみたが
無責任な事を口にして
訴訟でもされたら面倒だ。
そんな私のファイナルアンサーは
「消化不良な表情を浮かべる」
だった(真顔
そんなこんなで
我が家の坊ちゃまは
仕事へ行くよりも先に
ご自身のオデコを診て貰う為
近所の診療所に向かった。
ホームドクターの診察は↓こちら

マスキングテープ止め
(爆笑!
「縫わねばならぬ」などと
大騒ぎされた分
この質素な治療には
腹筋が崩壊したものだ。
てか
マスキングテープなら
我が家にはミイラになれるほどある(微笑
次女モモカ(13)は
そんな父親を指さして笑い。
長女チハナ(14)は
冷笑した。
そして、娘達から
「なぜコケる前に
手をつかなかった?」と
問い詰められると
「トップスピードで
転倒したんデス!!
手をつく暇なんて
アリマセン!!」
と、つまらない
言い訳をしていた(真顔
次の日、近所のスーパーで
ローレン(義弟の嫁)
にバッタリ会った。
彼女が私に訊いて来た。
「ダッダ、オデコに
大ケガしたんだって?
グラニー(姑)がとても
心配していたわ・・・」
(乾いた笑い)
すでに
こんなどうでもいい情報が
親戚中を駆け回っているとはな。
私は彼女に上記のやり取りを
事細かに伝えてみた。
するとローレンは一転――
「あらあら
自分の母親には
随分ドラマティックに
怪我の報告をするのね☆」
と、失笑した――