火曜、午前10時――

旦那が
サンフランシスコから帰還した。

大荷物を車から
降ろし終わった旦那に
私は珍しく駆け寄ってみる。

なぜなら
今年中は無理だろうと諦めていた
チハナ(脊柱側弯症の為)の予約が
奇跡的に取れたのだ。

実際の診察は8月なので
ホームドクターの初診から換算し
まさかの屈折8ヵ月――

ようやく
エジンバラにある病院の専門医に
診てもらえる事となったのだ。

その手紙を2時間前に
受け取った私のテンションは
チョモランマよりも高い。

手紙を「勝訴」と記された
ハタのごとく高々と掲げる私に
旦那は――


「トテモ疲れてマス!
話し掛けナイデ!」



と、まさかの一蹴(真顔

テンションは一気に
日本海溝へと突き落された(屍

笑顔から能面へと変貌した私なぞ
気に留める様子もない旦那は
ヒョウヒョウと続けた。

「お腹トテモ減ってマス。
スクランブル・エッグ作っテ」


・・・・
お前のメンタル
スゲぇな。




般若の面へと変わらぬよう
頭の中で読経を読みながら
スクランブル・エッグを作り
ご要望通り旦那の腹を満たす。

すると旦那は一変
超ご機嫌に
サンフランシスコ話をし始めた。


①救命ボートを積んだ船が遭難し
逆に救助せねばならない状態となり
トライアスロンのスイミングが
中止となった。

②ホテルが臭く汚かった。
拳銃の持ち込みはOKなくせに
自転車の持ち込みが禁止で
毎回分解してカバンに詰めた。

③写真を撮っていたオバさんが
自転車レースのコースに侵入し
5台が次々クラッシュ。
その5台目が旦那。

④帰りの飛行機で
自転車が紛失。


負の連鎖って
スゲェな。





てか「腹減ってご機嫌斜め」
とかいう現象は
生後8ヵ月辺りで
終わって欲しい(真顔



◎楽しかった思い出◎



事故が起こった
ゴールデン・ゲート・
ブリッジぃー




美味しかった
アイスクリーム・バーガぁー