更年期障害なら仕方ない。

いずれ私にもこういう症状が
現れるやも知れないので
それはお互い様である(真顔

相も変わらず仏頂面で
ソファに寝転がっている旦那。

その横で一緒にテレビなど
観る気にもなれず
私は早々とベッドに潜った。


午前6時――

「車の鍵がナイ!
ドコ!?」


と、私は旦那に起こされた。

寝ぼけ眼で私は考える。

そう言えば昨夜
シャワールームで見た様な・・・

目の前のシャワールームを
指さしながら
私は小声でヤツに伝えた。


・・・シャワールームで
見た・・・


すると
旦那がブチ切れた。


「ハァ?ワタシは
急いでるんデス!
英語で言ッテ!!」



私は一気に覚醒した。


いや
「シャワールーム」は
英語だ(真顔



しかも指さしたし。と
己自身を擁護する。

「ナイ!ナイよ!?
昨日履いてた短パンに
入ってると思うケド
短パンもナイ!」

絶望的なキミの記憶力に
私はどこまで
付き合わねばならないのか。

のっそりと身をよじらせ
ベッドの下を覗いてみる。

ちょくちょく
旦那の使用済み靴下が
潜んでいる場所である。

しかし、短パンはない。

ランドリービンをひっくり返すも
洗濯機を覗くも短パンは
どこにも見当たらない。

こうして捜索対象は
「車の鍵」から
「昨日履いていたらしい短パン」に
なっても何も成果は現れない。

それからすぐさま
鍵を見付けたらしい旦那が
早口で捲し立てた。

「短パンに入れたハズなのに
なぜか机の上にアッタ!
全く意味が分からナイ!
ワタシの責任ではナイ!」

いや、急いでいるなら
女々しい言い訳は
あとでするが良い。


てか――


昨夜
冊子を投げ付けた相手に
鍵の捜索なぞ
よく依頼できたな。