完全にぶっ壊れた
旦那のアンドロイド・スマホ。

「明日朝9時~12時に
業者がワタシのスマホを
取りに来るノデ
渡しておいてネ☆」

そう言い残し
旦那は仕事へと向かった。

ありがたい事に
その業者とやらは
朝一番にスマホを回収しに
やって来たので
軟禁状態に陥る事はなかった。


その3日後――

旦那からコピペされた
メールが送られて来た。

どうやら今度はその業者が
新しいスマホを届けるので
夕方3時~6時は家にいるようにと
釘を刺したかったらしい。

なんだか色々と
面倒だなと思いながら
その時間帯は
大人しく在宅する事にした。


ようやく届いた新しいスマホに
ウホウホしていた旦那だが
その2日後の土曜日――

「警察か誰かカラか
連絡来なカッタ!?」

ランニングから帰宅早々
旦那が叫んだ。

どうやら――


ランニング中に
そのスマホを
紛失したらしい。



「財布も無くなったンダヨ?
ホントに誰からも連絡ナイ?」



・・・ない。



「信じられない!
あのスマホ新品だったノニ!!」

うなだれるよりも先に
なぜかブチ切れていた旦那。

「触らぬ神に祟りなし」と言う
文字列がチカチカと点灯しながら
脳裏をよぎる。

私はすべての煩悩を投げ捨て
サクサクと家事をこなす事に
集中した。


すると
しばらくぶりに自室から
出て来たモモカが
空気を読むよりも先に
生理中である旦那に
話しかけてしまった。


「ダッダ~
明日のトランポリン・パークは
何時から行く~?
ケイティにメールしなきゃ☆」


そんな娘に
旦那は間髪入れず

「財布が無いカラ
行けナイ!!」


と、金切り声を上げた。


怯えるモモカ。
それを見て
薄ら笑いを浮かべるチハナ――

ウチの家族は大丈夫だろうか・・・
本気で心配した土曜の夜――