保険会社は
一体いつ来るのか――

結局
その日は吠えられただけで
何も伝えては貰えなかった。

次の日の夜
帰宅した旦那が私に聞いた。

「車は洗ってくれたよネ?
勿論、掃除機モ☆」

なんか
仕事が増えてる。


と、突っ込みたい気持ちを
懸命に抑えつつ
素直な意見を述べてみた。

いや、昨日いつ来るのか
教えて貰えなかったので
まだ洗っていない。

しかも、大雨だったし。


「ハァ!?
保険会社は
明日朝一番に来マス!!
ナゼ、洗ってナイ!?」



いや
いつ保険会社が来るのか
今知ったのだが。

「信じられナイ!!
毎日のらりくらりとホテル暮らし
しているだけの分際で
車も掃除していないなんて
とんだゴミだな。
保険会社からチャント
おカネが入らなかったら
すべてはキミの責任ダカラ!!」

(『ゴミ』はFワード)

2週間もの間
生理中であろう旦那は
今回も絶好調だ。

では、旦那の止まらぬ暴言を
サクッとお伝えしよう。

「そもそも
なんでお前はずっと家にいるんダ!
働いておカネを稼いで来い!
なぜワタシがお前の飯代や
ビール代を払わねばナラナイ?」

「ゴミみたいな絵ばかり
描くヒマがあるなら
シャワー・ルームの壁を
ペイントしろ!」

「働いていない人間はゴミだ!
そんなゴミを養わなければならい
ワタシを友人は皆憐れんでイル!
ワタシはとても可愛そうな人ダ!」

「スーパーで一体いくら
使ってるンダ!
ワタシのカネを使うな!」

「日本に帰りたいのなら
いつでも
今すぐにでも帰るがイイ!」

「テレビを観たいナラ
日本で観ろ!」

「洗車をしなかった」という理由で
なぜか10分程ただひたすら
無関係な事例を取りざたされ
罵倒される私。

すべての暴言を
覚え切れなかった己が歯がゆい。

とりあえず
Fワードは8回程出て来てたな。

旦那の意見をまとめると

「カネを出せ」
さもなければ
「出て行け」


と、言う事らしい。

彼の長所に「経済力」を
掲げた自分を
激しく呪いながら
薄っすらとヤツが望む
理想妻を描く。

夫のおカネを一切使わない妻が
9時~3時のパートに出て
今迄通り家事をこなし
子供の習い事の送迎をし
旦那の要望にすべて応え
用事もすべてやり遂げる――


兼業主婦になったら
過労死するな(真顔



働きに行ってもいいが
家事や学校の催し物
子供の習い事など
キミに手伝って貰わねば
ならなくなるが
それは大丈夫なのか?

今度は旦那が眉目を寄せる。

早朝から夜9時までがっつり
ジムとランニングに勤しみ
毎月の「ランニング旅行」を
満喫出来ない――

と、言う事にうっかり
気付いたのだろう旦那は

すぐさま私に
陳謝した。


謝るくらいなら
初めから口にしなければいい。

――と
私は密やかにほくそ笑んだ。