もんちゃんが
ドイツに渡ったのは
4月中旬の事だった。
それは
私と娘達が日本帰国から戻った
2日後の事でもあった。
話は少し遡り
我々の帰国時――
日本生活残り2日と迫っていた
私の元に突如として
「お土産買って来て下サイ☆」と
リストを送って来たのは
何を隠そう
「もんちゃん」であった。
リストの内容は
下記の通りであった。
①ハッピーターン
②とある歌手のCD
③漫画2冊
間違いなく
①②はエリック氏への
お土産であろう。
勿論①はすでに「ららぽーと」で
購入済みであった。
なんせエリックは
無類のハッピーターン好き
いや「ハッピーパウダー中毒」
と言っても過言ではない。
問題は②である。
CDなんて
ドコに売ってんだ?
いや、そもそも
せめて
もう少し早く
伝えてくれ。
さすれば私も
ネットで購入出来たであろう。
CDは諦めてもらう事にして
私は颯爽と本屋へ向かった。
――がしかし
その2冊の内
1冊しか見当たらない。
他の本屋も当たった方がいいか。
いや、ちょっと待て。
確かあの子
「電子書籍しか
買いまセン」
とか言ってたな。
モヤモヤ感を抱きながら
私は2冊目探しを
早々と切り上げた。
電子書籍を
買うが良い。
すまない、もん。
悪魔の囁きに抗う事なぞ
私には出来なかった。
そして、彼女の渡独前日。
私はうっかり見つけてしまった。
グラニー邸に
置いて行く荷物の中に
私が買って来た漫画を――
私の背後に
再び悪魔が降り立った。
いつの日か
黒い翼はためかせ
ドイツにお届け
いたします。
そんなもんちゃんの
渡独から3日後――
チハナが私に訊いて来た。



その使えない
「メモリー機能」
間違いなく
旦那譲りだ。


いや、彼女は
生きている。
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