娘達2人ともんちゃんの
生誕を祝う為
私はグラスゴーでの
豪遊を計画した。

娘達の目的地は



Build A Bear Workshop


ぬいぐるみの種類を選び
綿詰めし、オプションを付け
出生証明書も付け「この世で
たった1つのぬいぐるみ」を
作る事が出来るという
お店である。

英国では
定番中の定番プレゼント
と言っても過言ではない。

どのお友達宅にもあると言う
このぬいぐるみを娘達が
誕生日プレゼントとして
欲するのは
しごく当然の事なのかも
知れない。

スコットランドに
店舗は計3つ。
その内2店舗がグラスゴー
エジンバラに1店舗ある。

そうだ。
行った事がない
グラスゴーへ行こう!
それが
「豪遊計画」の発端だった。

まず、私に必要なのは
「往復の電車代」
娘達・ケイティ・もん・私の
計5枚。
総額74ポンド(約13,000円)

予想はしていたが

旦那に
出し惜しみされる。



「車で行けばガゾリン代
25ポンドで済みマス」
と、旦那。

ちょっと待て。
一度も足を踏み入れた事のない
グラスゴー市内に
突如車で乗り込むなぞ
私には出来ない。


「デハ、朝7時に
送ってあげマス」


ちょっと待て。
確かにキミの職場はグラスゴーだが
そんな早朝から始まる誕生会なぞ
私はごめんだ。

いや
そもそも定員オーバーだ。


「デハ、来週また
チケットを探しまショウ。
その時には
安くなっているカモ
知れマセン☆」


私はその提案に同意した。


そして次の週
私は旦那にチケットの
再検索を頼んだ。

5分後
なぜか旦那が物凄い形相で
私の目の前に立ちはだかった。

「何、コレ?
こんなにも一体何に
お金使ったノ!?」


そう言って
彼は2枚に及ぶ明細用紙を
私に押し当てた。

「10日間で
800ポンドも消えてマス!
私は節約していると言うのに
YOUは浪費しスギ!
ナゼ、スーパーで
1日3回も買い物するワケ!?
内訳を今すぐ詳細に答えテ!」


午後10時半。
面倒な男に捕まった。



とりあえず
詳細を明らかにしろとの
事だったので
私はひとつひとつそれらを
潰していく事にした。


①220ポンドは郵便局

②180ポンドは旦那のガゾリン代

③3回買い物したのは
「午前中・食品」
「午後・娘達の制服」
「生活用品の安いお店」

④2回買い物したのは
「午前中・食品」
「午後・ビール」
(午前10時以降でないと
お酒の販売は出来ないから)

⑤旦那と娘達のランチ代
70ポンド(現金)

⑥そもそもモモカの誕生日
だったので小物・ケーキ・
プレゼントなどに約100ポンド


内訳を懇々と説明してもなぜか
なかなか
納得しようとしない旦那。

いや、それ以前に

「チケットの検索」を
要請したら
「嫁の出費を検索」する
と言う
その行為自体が
腑に落ちない。


作戦名「出し惜しみ第2弾」に
突入した事間違いなし。

ナダメてもスカシても
不愉快そうな形相を崩さない彼に
とりあえず
私はキレてみることにした。

よし。もういい。
もう分かった。

二度とお金は使わない。
グラスゴーにも行かない。
パーティーもしない。

もう一生ドコにも行かない。

お前はそれで
ハッピーなんだな!


すると旦那は
不敵な笑みを浮かべてこう言った。

「グラスゴーには
行けばイイ。
ソレは娘達の
誕生日プレゼントだ」



ちょっと待て。
その設定では

「電車でグラスゴーに行って
そして帰って来る」という
「移動」であり
「誕生会」ではない。


<グラスゴーでの豪遊予算>

①電車代74ポンド

②ぬいぐるみ代25ポンド×4人

③日本食レストラン80ポンド


総額254ポンド
(約45,000円)



無理だな。


まさかの
「生活費お咎め事件」後に
楽しく豪遊なぞ
出来るハズがない。

悔しいかな私は
旦那の作戦にマンマと
引っ掛かったのだ(白目