5月初旬――
ワクチン予約票が入っていると言う
通称ブルーレターが我が家に2通やって来た。
無論、40代男性である旦那宛てと
40代女性である私宛てにである。
NHSは大体いつもこんな感じで
突如予約をブッ込んで来る。
学校があろうと仕事があろうと
予定があろうと場所が遠かろうと関係ない。
医療費無料にも関わらず
予約を入れてやったんだから
ありがたく素直に従え的な
そんな英国の強引なトコロ
私は嫌いじゃない(微笑
――と言うワケで
先週、旦那と仲良く
ワクチン接種に行って来た。
予約票で指定された接種会場は
自宅から車で30分程離れた町にある
小さな病院だった。
初めての場所だったにも関わらず
旦那は迷子になる事なくスムーズに到着。
幸先の良い出だしである。
私の予約時間は
旦那のそれより10分早い
午前11時07分だったが為
うっかり先陣を切る事となった。

そんな私は受付で――

看護師さんに
「アストラゼネカ」を
復唱させた。
モモカやグラニー達が
揃いも揃ってファイザーだったが為
己のワクチンもファイザーだろうと
勝手に思い込んでいた。
だがしかし私は信じている。
英国が誇るオックスフォードの底力を!
そんなこんなで
サクッと5分程で車に戻った私。
とりあえず
4人の打ち込み隊(?)が会場にいたモノの
接種人(?)は私だけだったので
旦那にさっさと行けと促してみた。
~旦那接種~
牛歩で会場へと向かった旦那は
10分後更なる牛歩で戻って来た。

いつものそれとは違い
ゆるりと運転席へと乗り込んで来た旦那は
(いつもはバン!ドン!バン!ビューン!)
何気に神妙な面持ちであった。
怖かったのだろうか。
痛かったのだろうか。
私は思わずほくそ笑んだ。
すると旦那は
蚊の鳴くような声でこう呟いた。


何してるのかな?
どうやら旦那は
入り口に設置されていた
「外来はこちら→
←ワクチン接種はこちら」
と言う看板を見付けられなかったか
もしくは読めなかったらしい
(おいたわしや
旦那のこの言動は
「旦那とA子の珍道中~プロローグ~」を
彷彿させるのに十分な材料となった。
あれは今から15年前――
グラスゴー空港に降り立ったA子ちゃんを
旦那が車で迎えに行ってくれたワケだが
(私はお家で娘達の子守り)
我が家に到着するや否
彼女から以下の報告を受けた。



親愛なるA子ちゃんへ――

~エピローグ~
空港から我が家へ向かっている途中で
旦那の車がまさかの故障。
A子ちゃんは旦那とふたりで
うっかり2時間以上
高速の路肩で待機するハメになった。
その間
執拗に何度もコーラを勧めてくる旦那に
「そんな気遣いいらんねん!
ここドコや思てんねん!高速やぞ!」と
A子ちゃんは
いささか不愉快になったそうな(合掌
以上「旦那とA子の珍道中」でした。
~A子のミニ補足~

15年経っても色褪せない
旦那との出会い(遠い目